バウンダリーワークスのミッション

 バウンダリーとは、自分と他者や物事との間にある目に見えない境界線のことです。身体的、物理的、心理的な境界線があり、自分と他者との違いを示し、それを守るためのラインや概念でもあります。 
 人は、胎児の段階から母親とは違う人間です。母親の胎内にいて、へその緒でつながり栄養をもらっていても、血液同士が混ざり合うことはありません。また赤ちゃんにも自分の調子や気持ちがあり、赤ちゃんと親は「一心同体」ではなく、体も心も別の存在なのです。 

 とはいえ赤ちゃんには保護者の支えが必要であり、自分と他者との区別があいまいな状態から、成長とともに境界線感覚を持てるようになっていきます。
 これが得られないと、相手の不機嫌は自分のせいだと思ったり、人の顔色をうかがいやすくなります。また自分の考えは絶対に正しいと思い込み、違う考えが許せなくなることもあります。 
 

 バウンダリーは新しい概念で、私たち大人はその意識に乏しいにもかかわらず、相対的に権力を持っているため、ハラスメントや人権侵害を起こしやすい属性です。
 しかし何がハラスメントにあたるのか、それはなぜなのか、また適切なバウンダリーとは何なのか、考え、その感覚を身につけることで、子どもや他の人と良好な関係を築くことができ、自分自身も安定した日常を送りやすくなります。 

  バウンダリーワークスはこうした学びを通じて、弱い立場に立たされている人への〝小さな”人権侵害を無くし、大切な人との関係をより良くする機会を提供することをミッションとしています。


代表紹介    天棚シノコ(あまだなしのこ)

 17年間、冒険遊び場づくりに関わるなかで「遊ぶことは健康で文化的な最低限度の生活を送るために欠かせないものだ」ということに気づき、今まで囚われていた「遊ぶ=サボる=悪いこと」という思い込みを捨てようと考えはじめる。
 そして子どもが「学校はもういいや」と言ったのをきっかけに、「じゃあ学校やめよう!」とホームスクーリング+プレーパークでの子育てを開始。その日常を手記にした『学校が合わなかったので、小学校の6年間プレーパークに通ってみました』が、太郎次郎社エディタスより出版された。
学校を選ばなかった子どもとの暮らしと、同じような立場におかれた親子の居場所づくりを通して、境界線の線引きの難しさを知り、バウンダリー概念を持つことの重要性を強く感じるようになる。

また冒険遊び場づくりに携わるなかで、子どもに少しでもプラスになることをしたいと思っているのに、大人がジェンダー意識をアップデートしていないことで、かえって子どもを傷つけているかもしれない、と問題を感じるようにもなった。
2026年度の日本版DBSの施行にともない、性加害者が学校教育や保育職からDBS認証を得られない小さな団体やNPO法人などに流れてくる可能性が高くなると思われる。そのことに警鐘を鳴らす必要があると、強く考えている。

そこで、子どものそばに立つ大人がジェンダーや境界線について学べる団体をつくろうと、バウンダリーワークスを立ち上げるに至った。現在、子ども性暴力防止アクティビストとして、境界線の最大で最も深刻な侵害である性暴力防止をはじめとしたさまざまな事業に取り組んでいる。



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